ファクタリングの手数料はどのくらいかかる?取り扱いの注意点について解説
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売掛債権を前倒しで現金化できるファクタリングは新しい資金調達方法として、注目を集めています。
お手持ちの売掛金を現金化する手法なので、借入とは異なり返済の義務がありません。
資金繰りが厳しければ、状況改善するために有効な方法といえます。
ただし売掛債権を全額現金化できるわけではありません。
手数料分が差し引かれ、それがファクタリング会社の収益になります。
ところでファクタリングの手数料率の相場はどのくらいなのでしょうか?
ここではファクタリングの手数料について、詳しく見ていきます。
ファクタリングの手数料率の相場について解説
早速ファクタリングを利用した場合、どのくらい手数料がかかるのかについてみていきます。
ファクタリングはさらに2種類に分類できます。
1.2社間ファクタリング
2.3社間ファクタリング
どちらの方法で現金化するかで、手数料は変わってきますので以下で詳しく見ていきます。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、申込法人とファクタリング業者間で直接やり取りする方法です。
つまり売掛先に知られることなく、債権売却ができるわけです。
もし売掛先に知られてしまうと「あそこは危ないのではないか?」と思われて、取引を見直される恐れが出てきます。
2社間であれば、そのような心配がありません。
2社間の手数料率は5〜30%が相場です。
2社間の場合、申込法人が売掛債権をファクタリング業者に売却します。
そして売掛先からの債権回収はファクタリング業者から委託される形で申込法人が行います。
業者に回収した売掛金を支払う形が一般的です。
業者としてみれば、売掛金回収できないリスクもあります。
このため、手数料率は高めに設定される傾向が見られます。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、申込法人とファクタリング業者、売掛先の間で行われる取引です。
つまり売掛先に売掛債権を売却する旨、通知する必要があります。
売掛先が承諾すれば、売掛先が直接ファクタリング業者に債権を支払う形になります。
その分、債権回収できない可能性は2社間よりも低くなります。
よって手数料率は2社間と比較して、低めに設定されがちです。
だいたい1〜9%が相場と考えてください。
ただし売掛先にファクタリングを利用することを言わないといけないので、その後の取引が見直されるリスクは存在します。
ファクタリングの手数料率を決める要素について
上で紹介したように2社間・3社間ともに「○~○%」のように手数料率に幅を持たせています。
審査を行って、上の範囲内で個別に手数料率を設定します。
では手数料率はどのように決められるのかというと、主に以下の2つの要素を考慮して総合的に判断します。
1.売掛先の信用力
2.売掛債権の額
それぞれなぜ手数料の利率を決定するのにかかわってくるのか、以下で見ていきます。
売掛先の信用力
まずは売掛先法人の信用力です。
売掛債権をきちんと回収できなければ、業者の損失につながってしまいます。
確実に売掛金を支払ってもらえるだけの信用力があるかどうかが、手数料率を決める重要な要素です。
もし売掛先の経営が順調で、確実に売掛金を支払ってもらえると判断されれば手数料率は低く設定されます。
しかし、債務不履行になる危険性があると判断されると、リスクマネジメントのために手数料率が高く設定されるかもしれません。
売掛債権の額
売掛債権の額も手数料率を決める重要な要素の一つです。
基本的に額が大きければ、手数料率は低く設定される傾向があります。
額が大きいと、それだけファクタリング業者に入ってくる利益も大きくなります。
また同じ金額でも少額債権を複数件契約するより、高額債権1件を契約したほうが手間もかかりません。
効率的に収益を確保できるので、手数料率は低くなります。
額が大きい案件はファクタリング業者にとってはおいしいともいえます。
どの業者も手をあげますので、競合他社にとられないために手数料率を低くしようとします。
ただしどんなに金額が大きくても取引先の信用力が不十分であれば、手数料率は高く設定されてしまいます。
未回収リスクが高いので、買取そのものを断られる可能性も出てきます。
ファクタリングの手数料を安くするコツ
ファクタリングの手数料は利用する側にとってはコストにすぎません。
できることなら、少しでも安くしたいところです。
手数料を安くするためには、いくつかコツがあります。
1.信用力の高い債権で現金化する
2.支払期日の迫っている債権を利用する
3.複数の業者で見積もりを取る
4.何度も利用して信頼関係を構築する
なぜ上で紹介したポイントが手数料を安くするのに有効なのか、以下で詳しく解説します。
信用力の高い債権で現金化する
ファクタリングの審査では、売掛先の信用力が何よりも重視されます。
信用力の高い売掛債権であれば、業者も安心して買取できます。
また、手数料率を高くする必要もありません。
もし複数の債権を抱えているのであれば、その中でも最も信用力のありそうな債権を売却しましょう。
中小企業よりは大企業、大企業よりは国や自治体の債権の方が信用力は高く、手数料率も低くなるでしょう。
また中小企業でも業歴の長い法人の方が経営も安定していると評価され、手数料率は低くなります。
できるだけ信用力の高い、業者が安心して買取できそうな債権で申し込みましょう。
支払期日の迫っている債権を利用する
売掛金の支払期日が迫っている債権の方が、業者としてもより早く資金回収できます。
このため、手数料率は低く設定されるのです。
売掛金の回収が何カ月後かの場合、未回収のリスクが高まると言えます。
ずっと先だと、その間に売掛先が倒産したり経営破綻したりする可能性も出てきます。
倒産すれば、債権は全く回収できない恐れも出てくるので買取に慎重になるわけです。
もし複数の売掛金を抱えているのであれば、できるだけ支払期日の近いものを選びましょう。
複数の業者で見積もりを取る
手数料率は業者によってまちまちです。
各業者でオリジナルの基準を決めていて、それに基づき手数料率を決めるからです。
ですから同じ債権でも、業者によって手数料率の設定は異なります。
そこで少しでも手数料を安くして無駄なコストを省きたければ、複数の業者に買取の相談をすることです。
そして見積もりを取って、どこが最も手数料率が低いか比較してみるといいでしょう。
また複数見積もりを取っておけば、手数料の交渉をする際に有利に進められるメリットもあります。
「ほかのところはこういう手数料率でしたよ」と担当者に伝えれば、手数料率を引き下げてくれる場合もあります。
何度も利用して信頼関係を構築する
ファクタリングサービスを利用する際にはその都度異なる業者を利用するのではなく、同じ業者を利用するのがおすすめです。
繰り返し同じ業者に依頼することで、信頼関係を構築できるからです。
もし以前利用したことがあるところであれば、業者も審査するにあたって必要な情報がすでに手元にあります。
審査も軽減されるので、業者としてもコスト削減できます。
また繰り返し利用してくれるお得意様であれば、業者も優遇してくれるはずです。
初めて利用する際には、できるだけ担当者と密にコミュニケーションをとることも大事です。
手数料率は業者独自の基準をベースにしますが、そのほかにも担当者の心証も影響します。
担当者の印象をよくするためにも、しっかりコミュニケーションを取りましょう。
聞かれたことには誠意ある回答を心がければ、良好な関係を構築できてより有利な条件で売却できるはずです。
ファクタリング手数料のまとめ
ファクタリングを利用する際には、手数料が発生することを頭に入れておきましょう。
基本的に2社間よりも3社間の方が手数料率は低いです。
売掛先の同意を取れそうであれば、3社間のサービスを利用しましょう。
また信用性の高い売掛債権で申し込む、支払期日の迫っている債権を買取に出すなど手数料を安くする方法はいろいろとあります。
ここで紹介したコツを踏まえて、賢くファクタリングサービスを利用しましょう。